ドイツと比較した理由


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Posted by 日吉十郎 on May 01, 1997 at 17:06:05:

In Reply to: Re: 日本の事例 posted by たあつ on April 24, 1997 at 18:48:41:

どうもたあつさん。ご意見有り難うございました。

: ドイツと日本が類似点があるとのご指摘ですが、たしかに侵略戦争を行い、非人道的な行いを
してきたという点では同じだと思います。
: しかし、それは昔の話。今現在のドイツと日本では、比べること自体が「ドイツに対して」失
礼だと思います。

いえいえ。そのような点でドイツを比較の対象に考えたわけではないのです。
今回はそういった第二次世界大戦に関した歴史の事は考慮せずに、日本の比較対象として
ドイツを考えました。

私はどうも、歴史の浅い南北アメリカ大陸、オセアニアの諸国は、日本の比較対象にできな
いので、それをヨーロッパに求めてしまいます。ヨーロッパ諸国の中でも、人口、面積、歴
史の長さ、などから考えて、英仏独ぐらいが適当な比較対象になります。例えば北欧やベネ
ルクスなどは、国家規模が余りに小さくて比較対象になりにくいのです。旧東欧諸国は、歴
史や民族性については興味深い点もありますが、国家規模においても経済的状況においても
日本や韓国を考えるための比較にはなりにくいです。

さて私が、英仏に比べてドイツは日本とどこが似ているかと考えるかと言えば、以前既に
語ったように、圧倒的なマジョリティの一つの民族が存在し、その民族の民族としての歴史
が十分長いという点です。これは英仏あるいはスペインとは全く違う、ヨーロッパにおいて
も特殊といえる状況だと思います。

今回の私の論点は「地方分権」であったわけですが、日独両国は、中世から近世にかけてそ
の歴史の大部分を連邦国家としてやってきたという共通点があります(日本の歴史をそう見
ることには異論もあるでしょうが、私は平安末期から江戸時代の約1000年間は一種の連
邦国家であり、これこそが日本の伝統であると考えております)。そして、ドイツは現在も
連邦国家を維持し、一方日本は、このわずか百年余りですが、中央集権国家として存在して
います。

中央集権体制は国家間で何かを競争をし、それに勝利することを目的とする場合には効率的
であろうと思いますが、人々の幸福の獲得を目的とする場合には不都合なシステムであると
常々思っております。そんなわけで、単一民族(正しくないが、敢えて)単一言語で、先進
国であり、大国である連邦国家(地方分権国家)のドイツが、単一民族(また正確ではない
が、敢えて)で、先進国であり、大国である中央集権国家の日本に比較して、住民の幸福と
いう点で達成度に差異がないかを知りたかったのです。
で、明秀さんが教えて下さったドイツの現状は、私としては少々期待はずれのものだったわ
けですがね。

ようは、中央集権と地方分権の効果の違いを考察するために、それ以外のファクターが近似
した対照国を探したらドイツを思いついたと言うわけです。その際、過去の歴史に対する国
家としての姿勢というファクターは考慮にいれておりません。



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