Re: 国籍と参政権


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Posted by 金明秀 on April 04, 1997 at 21:20:25:

In Reply to: Re: 国籍と参政権 posted by 日吉十郎 on April 04, 1997 at 19:56:58:

どうもはじめまして,日吉十郎さん。


:  しかしながら、地方分権が十分ではない現在の日本の政治システ
: ムにおいては、外国人居住者の地方参政権を国政参政権と切り放し
: て考えることは困難と思われます。
: 【以下,略】


はい,じつは僕も同感です。「以下,略」の部分を含めて,ほとんど異論はありません。(この点も,僕の主張が一般の在日同胞とは違うと書いた一つの根拠です>大塚)

ただ,あえて可能な反論を書くとするなら,

  1. いまや国家としてできることには限界があるということが明らかになってきている以上,一つの進路として地方分権をすすめるべきだというのは広く受け入れられてきている考えです(もう一方に国家を越える地域主義をすすめていくという考えがありますね)。
    その意味で,強調されるべきは,現時点で地方分権が形骸化しているということより,今後どれだけ地方分権を実質的に確立していくか,ということであるべきでしょう。これは在日外国人の問題というより,日本人を含む日本の居住者全体の幸福にかかわる問題です。
    いまのように,政党政治が機能しなくなった国政だけで政治が運営されていては,現在の困難な時期を乗り切ることができるとは思われません。それに,“自分もコミュニティの意志決定に参与している”という政治的有効性感覚も,国政についてはこれ以上ないというほど落ち込んでいますが,地方政治についても同様の状態にあることはやはり問題でしょう。
  2. 参政権は,コミュニティのメンバーシップであると同時に,メンバーシップとは半ば独立した(あるいは,独立しうる)「権利」でもあります。一定の年限を越えて居住している外国人にたいして,国政の選挙権まで開放しているスウェーデンのケースは,メンバーシップの規準をゆるめただけというより,「権利」の考えを押し進めたものでしょう。
    地方自治体の実質的なメンバーである定住外国人にたいして,ある種の正当な「権利」が制約されている現状がある以上,「国政と切り離せないから」という理由で放置するのは,やはり問題と言えるでしょう。


ただ,そもそも,日吉十郎さんは定住外国人が地方自治体のメンバーであるということ自体については疑っていませんが,外国人の参政権取得に反対する人は,たいていの場合,「よそ者」を意志決定に参加させることをいやがっているようです。

韓国籍や朝鮮籍をもつ在日韓朝鮮人のなかで,日本の地方参政権を求めているものは,現実に日本の地域活動に積極的に参加している人たちなんですよね。いわば,日本(国家や地域)に強い愛着を持ったうえで,よりいっそうの貢献をしたいと考えている人たちだと考えることもできます。その辺の事実を理解されないかぎり,言いかえると「在日は日本嫌いに違いない」という予断から外国人の地方参政権取得に反対する人とは,そもそも話にならないんですよね。



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