Re: 国籍論議にたいする,いち在日の心情論


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Posted by 日吉十郎 on April 08, 1997 at 22:56:01:

In Reply to: 国籍論議にたいする,いち在日の心情論 posted by 金明秀 on April 07, 1997 at 23:18:46:


金明秀氏は以下のように書かれました。

{ここでちょっと話を心情論にふってみましょう。#368で「事情により匿名」さんが面白いことを書いています。

在日コリアンで現在帰化を躊躇している人も、もし将来、日本が私のよう
な日本人にとっても愛すべき国になったときには、日本人の一員になって
もいいと思われるでしょうか? やっぱり現有国籍を変えるのはお嫌です
か?それでもお嫌なのなら、私は二者択一において、「日本人」と名乗る
人の意見をおおむね支持します。

 非常に率直な意見ですね。ある意味で,とてもよく分かる。僕がもし,ごくフツウの日
本人だったらそういう心情だろうな,と思わせるものがある。

 その心情を,もっと率直な表現で言いかえるなら,「もし頭を下げて仲間にしてくれと
言う用意があるなら,国の一員にしてやってもいい」ということじゃないかと思うわけで
すよ。皮肉じゃなくて,そういう仁義を通すのって,ゲマインシャフトの一員になるって
いうとき当たり前に必要な儀礼ですからね。}引用終わり

#368全文を読んだ上で、私は金明秀氏とは全く違う解釈をします。

 それはまさしく、金明秀氏が最後で言われたような「これまで,ほんとうにお疲れさま。僕らもできるかぎりのことはするから,これからは気持ちよく日本社会の一員になってよ」(日本社会の一員=日本人=国籍or仮想の将来の市民権)と提案されても拒絶する定住外国人に対しては、こちら(現日本人)としても相手にできない(国政参政権を認められない)。これが匿名筆者の心情(あるいは本意)でしょう。
 また私自身も、外国人の国政参政権についてこのような意識を持ちます。
 ただし、地方参政権についての私の政治的立場は、地方分権を推進したうえで(徴税権の全面的移転が必要と考えている)、自治体の自由意志で決定すべきだというものです。よって地方分権を論じることなく展開される国籍と参政権の議論(大塚 恒平氏 、廣有人氏らのもの)に入ることは避けたいと思います。

 このHANboadで読んだり、伝え聞いたりする現在の日本国籍取得手続きでは、私が在日定住外国人でもやはり願い下げでしょう。膨大な時間を使って、時に人間としての尊厳、プライドを傷つけられてまで、日本人としての権利、参政権等を得たいとは思わないでしょう。約半数の有権者が放棄してしまうような魅力のないものです。現状では「国籍を取ろうと思えば取れるのに、取らない方が悪い」みたいなことは、私には言えません。だいたいその国で生まれた人に、無条件(に近い条件)での国籍取得を認めない(親の国籍を問題にする)国など、私の知る限りの先進民主主義国では日本の他にはスイスぐらいのものです。

 最後になりましたが、金明秀さんにおかれましては、私の前回投稿に対する丁寧なお返事を頂戴し、有り難うございました。それも、おおむね共感できると言っていただけた事を嬉しく思います。

 それともう一つ、私は自然科学者で、政治や社会科学は素人なので、ご存知ならお教え頂きたく、また質問します。ドイツでは、定住外国人居住者の参政権に関して、どんなシステムになっていますか。ドイツは人口の大部分をドイツ系民族が占める大国(人口および面積的に)という点で日本に近いものがあります。比較的長い、民族としての歴史を有することも共通です。その一方、地方分権においては対照的です。このような国は他に思いつきません。

 


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